院長ブログ
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菫程な小さき人
先週、3日間のお盆休みをいただいた時に読んだ本の中に、
印象に残った俳句がありました。
「菫程な小さき人に生れたし」 夏目漱石
現代は「直接アクセス型社会」とも言われています。
顔もなく名もない不特定多数の個人が、
互いにつながりのないバラバラな状態で、
群衆の一人として生き、
簡単にクリック一つで、
直接目標とつながる世界になってしまいました。
名もなく顔もない“個”ではなく、
一人ひとりの個性が大切にされる社会、
かけがえのない、代わりのいない“ひと”が守られる社会、
色々と考えることのできた休日でした。
「ぜんそくは治りますか?」
2012.08.21 | 治療・吸入
「ぜんそくは治りますか?」
ほぼ毎日のように患者さんから聞かれます。
答えは、「Yes」でも「No」 でもありません。
ですが、一部の重症の方を除き、
発作を予防する生活を心がけ、
適切に治療することで、
症状を “コントロール” し、
快適な生活を送ることができます。
そもそも「治る」の定義が医師によっても違いますし、
患者さんごとにも「治る」と判断する基準が違います。
いつ、どのような時に、どういう症状があるか、
発症してからのどのくらいの時間が経っているか、
受診されるまでにどのような環境で生活をしてこられたか、
“適切な” 治療が行われているか、
特に吸入薬を使っている方は、
いつ、何を、何回、どんなタイミングで、どれくらいの速さ・深さで吸入しているか、
その他、ここには書ききれない多くの因子が、ぜんそくの経過に複雑に関与します。
「治らない」とか「不治の病」などと考える前に、
積極的にぜんそくと向き合うことが一番大事だと思います。