咳とぜんそくコラム
column
COLUMNコラム
「しばらく来れず、吸入していませんでした、すいません・・・」
2012.07.30
当院にぜんそく、咳ぜんそくで通院されている方の多くが、
勤務、学校、家事、家族の病気、その他様々な事情で、
薬がなくなるころに、やむをえず来院できなかったり、
咳や息切れがかなり楽になって、つい吸うのを忘れる、
面倒、
副作用が心配、
等々、
人により種々の“大人(または子供)”の事情で、
吸入等の治療が途切れてしまうことがあります。
「吸入(治療)を止めるのが早いと症状がぶり返す方があります」
と説明させていただいていることに対し、言われたとおりにできなかったことを、
「すいません」と言われているのかもしれません。
私は、ほぼ毎日そのような方にお会いしていますので、
吸入等の治療をコツコツ続けることがいかに難しいことか知っています。
ただし、中途半端な治り方で治療を止めると、
結局ぶり返してしまい、
“リモデリング”という気管支に元に戻らない変化が生じることが知られています。
せっかくそうならないようにする治療法があるのに、
吸入などの治療を止めるのはもったいないです。
また、毎日治療を続けることで、
ぶり返しや急な発作がなくなると、
体の調子が良くなるのはもちろん、
年間の受診回数が減り、
お薬代も減ることで、低コストにもなります。
吸入を自分自身の判断で止めてしまった方を責めたことはありませんので、
咳や息苦しさがぶり返してきた方は、
「すいません」などと謝る必要は全くありませんので、
遠慮せずに正直に教えてください。