院長ブログ
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京都のまちにふさわしい景観とは?
今年の5月、京都市都市計画局から一通の手紙が届きました。
「屋外広告物の指導について(通知)」
内容を読んでみると、
「看板が京都市の定めた条例の基準に適合しているかどうか協議したい」
ということでした。
A4の用紙1枚では全く理解ができず、
この看板のどこが「京都のまちにふさわしい景観」に適合しないのか、
質問するために、
担当者の方と直接面談する会場に行きました。
アポイントを取り、指定された部屋に行くと、
数十人の、おそらく自営業で看板を出されていて、
忙しい中、時間を作って、
京都市中から集められた方々が、
「うちの看板のどこが悪いのか?!」
「変更すると言っても、費用はだれが払うのか?!」
「看板を外すのは経営に影響する!」
「なぜこんな細かいことまで言われるのか?!」
「他にも景観を乱しているものがあるのでは?!」
「・・・?!」
騒然とした雰囲気で質問、説明、議論?されています。
私の担当だった方は、幸い?穏やかで紳士的な方でした。
一通り説明を聞き、
「ルールがあるのでやむを得ない」
と判断しました。
本心は、
かなり不本意でしたが、
今日(2013年9月12日)、
長い間当院の案内をしてくれた看板を外すことになりました。
「青い看板のブルーがほんの少し定められた基準より鮮やかである」
たったこれだけの理由です。
もちろん外す以外にも選択肢はあったのですが、
手続きがかなり面倒で断念しました。
行政の方からすれば、
たかが、
「小規模自営業者の看板ひとつ」
かもしれません。
自営の方が掲げている看板の中には、
小さいけれども、
長年、大切に掲げ、
命を懸けて毎日守っている、
そんな看板も多いのではないでしょうか。
初めて当院に来られる方、
再診の方、
どうして看板がないのか???、
不思議に思う方もあると思いますが、
京都市の「条例」なのでやむをえません。
30年以上、
雨の日も、
雪の日も、
風の日も、
夏の猛暑にも、
冬の寒さにも耐え、
「横村医院」と表示し続けてくれた看板に、
「おつかれさまでした」、
そして、
「ありがとう」。